カタンが大好きな方はたくさんおり、頻繁にアドバイスを求められます。
僕が様々なボードゲームを、猛者と一緒に遊んでいるイメージがあるからでしょう。
カタン日本選手権2位→世界大会出場の友人とよく遊んでいます
当記事では、初心者を脱却するためのカタンの基本を整理し、中級者へのステップとなる2つの戦略についてまとめます。
以下の流れで説明をしていきます。
説明の流れ
- 初期配置の考え方
- ゲーム序盤で大事なこと
- カタンの本質
- ベースとなる2つの戦略
記事の信頼性
初期配置の考え方
カタンでは、どこに開拓地を2つ置くのかが非常に重要です。
資源がたくさん得られればやれることが増え、得られなければ何もできません。
チェック項目を整理します。
カタン島のチェック項目
- 各資源ごとの数字
- 有力な場所の資源算出量
- 港の位置と周辺の土地
- 2つ目の開拓地の候補
前段:サイコロの確率
まずはサイコロの出目の発生確率を確認しておきましょう。
サイコロを2つ振った場合、「7」がもっとも出やすく、そこから離れていくと出にくくなります。
7が出る確率が「36分の6」で、6と8は「36分の5」と、7から出目が1つ離れると36分の1ずつ確率が下がっていきます。
サイコロの出目 | 確率 | タイルの枚数 |
---|---|---|
7 | 6/36 | 0 |
6と8 | 5/36 | 2 |
5と9 | 4/36 | 2 |
4と10 | 3/36 | 2 |
3と11 | 2/36 | 2 |
2と12 | 1/36 | 1 |
7の地形タイル(以下タイル)は存在せず、3~11のタイルは2枚ずつ、2と12のタイルは1枚ずつあります。
1:各資源ごとの数字
カタン島の盤面を見て、各資源ごとの数字を確認します。
今回のゲームにおいて、どの資源が出やすく、どの資源が出にくいのかを把握しましょう。
出にくい資源を持っていると、交渉を有利にできます
例えば以下の盤面をご覧ください。
タイルの種類 | 数字 | 合計確率 |
---|---|---|
丘陵(レンガ産出) | 3,4,12 | 7/36 |
森林(木産出) | 4,8,8,9 | 17/36 |
牧草地(羊産出) | 2,3,5,6 | 12/36 |
畑(小麦産出) | 6,9,10,11 | 14/36 |
山地(鉄産出) | 5,10,11 | 9/36 |
上の図の、資源ごとの合計確率を比較してください。
木が豊富で、レンガと鉄が枯渇しそうなことが分かります。
そもそもレンガと鉄はタイルが3枚なので、産出量が少ない可能性が高いです。
資源の使用量としては「麦」がもっとも多く、「羊」がもっとも少ないことも覚えておきましょう。
2:有力な場所の資源産出量
盤面を見て、資源が出る確率が高い場所を探しましょう。
マップ例だと以下の5つの場所になります。
場所番号 | 周辺数字 | 確率 |
---|---|---|
1 | 5,8,10 | 12/36 |
2 | 5,6,11 | 11/36 |
3 | 5,9,10 | 11/36 |
4 | 4,8,10 | 11/36 |
5 | 3,6,9 | 11/36 |
産出する資源の種類は大事ですが、根本的な資源量は非常に重要なことを覚えておいてください。
強い数字(7に近い数字)は正義
3:港の位置と周辺の土地
港の位置を確認します。
3:1の港は常に強く、資源特化の港も自分が産出する資源と合わせれば強いです。
また、今回の盤面で豊富な資源である「木・麦・羊」の港は強くなる可能性が高いです。
有力な資源産出地から港に繋ぐルートを、視野に入れておきます。
特に今回のような特定の資源が出づらい配置の場合、交渉によってその資源が手に入らない可能性が高いです。
港の重要性が高くなっています。
4:2つ目の開拓地の候補
有力な場所を把握し、2つ目の開拓地との組み合わせを考えます。
カタンに慣れていないと難しいので、中級者以上のレベルまで来たら挑戦しましょう
基本的には5種類の資源の内、4種類の資源は産出するようにしておきたいです。
また、産出する資源の組み合わせも確認します。
木とレンガはセットで使うので、片方だけ豊富に持っていても意味がありません。
余る方は、交渉や変換に使うことを視野に入れます。
麦と鉄をセットで持っていると都市が作れて強い上、羊もあると発展カードが引けます。
麦はよく使うので産出できると良いです
開拓地配置の考え方
4つのチェックを終えたあと、開拓地を配置します。
開拓地を置く場所の、基本的な考え方は以下です。
開拓地を置く場所の考え方
- 1つ目の開拓地は産出する資源量を重視
- 2つ目の開拓地は1つ目の開拓地を補完する場所
10点の取り方から逆算して配置するのが、中級者へのステップとなります。
記事後半で逆算の考え方をまとめます
実際に配置した場合
今回のマップ例において、実際に配置してみました。
考察しながら丁寧にまとめたので、良かったらご覧ください。
-
カタンの初期配置はどうするか?例題における1~4番手の開拓地と道を丁寧に考察してみた!
続きを見る
カタンの序盤のコツ
カタンの序盤のコツは「資源の産出地を増やす」に尽きます。
具体的には、開拓地を増やすことと、都市にすることです。
カタンで勝つための方法は決まっています。
カタン必勝法
- 開拓地や都市を増やす
- 手に入る資源が増える
- 資源を使って開拓地や都市を増やす
- 手に入る資源が増える
- その資源を使って点を集める
開拓地・都市を増やす
序盤はとにかく開拓地か都市を増やしましょう。
目指すべきはルートは、以下の2つのいずれかです。
2つのルート
- 初期配置の道から1本伸ばして良い場所に開拓地を作る
- 初期配置1つ目の開拓地を都市にする
とにもかくにも、資源収入を増やすことを目指してください。
獲得する資材が偏り、開拓地や都市をうまく作れないことは往々にしてあります。
交渉を積極的にしてください。
3つ目の開拓地の麦や、都市にする麦が足りない局面です。
交渉した相手に勝てる見込みがあるなら、欲しい1枚の資源に対して2枚や3枚を出しても大丈夫です。
収入基盤となる開拓地と都市の点数が4点になるまでは、死に物狂いで交渉してください。
収入基盤
- 開拓地4つ
- 開拓地3つ+都市1つ
- 都市2つ
最長交易路や発展カードは、収入を増やしてから取りにいきます
気を付けて欲しいこと
初心者の方にありがちな、気を付けて欲しいことがあります。
1本目の道は、繋げた先に開拓地を作れる場所に置くことです。
道を1本置いて開拓地を作れない場合は、初期配置を間違えている可能性大です
開拓地を作れる場所に道を繋いだら、木とレンガがあっても道を作らず開拓地を作るために残しておきましょう。
麦と羊が産出するのを待つか、交渉や変換(貿易)で手に入れてください。
道を伸ばしても収入は増えません。
同様にですが、都市を目指す場合は発展カードを我慢して、麦2と鉄3を集めましょう。
手札の残り方によっては発展カードを引く場合もありますが、できる限り我慢して都市を作ってください。
カタンの本質
カタンは拡大再生産と呼ばれる仕組みになっており、以下のループをいち早く築いたプレイヤーが勝ちます。
拡大再生産
- 開拓地や都市を増やす
- 手に入る資源が増える
- 資源を使って開拓地や都市を増やす
- 手に入る資源が増える
- 資源を使って開拓地や都市を増やす
- 手に入る資源が増える
上記だけを見ると、序盤のサイコロの出目が良く、うまく開拓地や都市を作ったプレイヤーが勝ちます。
拡大再生産がうまくいったプレイヤーが勝つ単純なゲームにならないよう、足止め要素が3つあります。
足止め要素
- サイコロで7が出たとき、8枚以上資源を持っていると半分捨てる
- 盗賊で特定のタイルから資源の算出を止める+資源を奪う
- 交渉によって資源変換を効率化する
サイコロ7の効果
サイコロで7が出ると、8枚以上の資源を持っているプレイヤーは資源を半分捨てます。
ある程度の資源産出量があると、自分の手番でできる限り資源を消費しても、次の自分の手番までに資源を捨てることがあります。
これはうまく進んでいるプレイヤー(以下トップ)の拡大再生産の足止め要素です。
トップが資源を捨てている間に下位プレイヤーは追いつきましょう
盗賊の置き方
盗賊はトップの拡大再生産を止めるための要素です。
よって基本的にはトップの主要な資源産出タイルに置き、トップから資源を奪い、足止めしましょう。
場合によっては、自分が欲しい資源を持っているプレイヤーから資源を奪い、自分の拡大再生産のスピードをあげます。
初心者の方がやりがちですが、手札の枚数が一番多いプレイヤーから引く意味はありません
交渉の戦術
交渉は、交渉した2人のプレイヤーが得をします。
資源を変換(貿易)した場合は資源4枚が1枚になりますが、1:1の資源交渉の場合は資源1枚が欲しい資源1枚になるので、圧倒的な効率の良さです。
交渉は序盤と、中盤~終盤で役割が変わります。
序盤の交渉は、開拓地や都市を増やして収入基盤を増やし、拡大再生産の拡大の部分を作るためです。
自分だけが収入基盤を作れれば当然有利ですが、交渉はウィンウィンのためのものなので、自分と交渉した相手だけがうまくいけば良しと考えましょう。
4人カタンだとすれば、自分と交渉した相手1人だけがうまくいけば、勝てる可能性はぐっと上がります。
交渉は、交渉しない人を置き去りにする
中盤から終盤の交渉は、トップに追いつくためにやります。
トップが資源を4:1で変換するのに対し、下位プレイヤーは交渉で効率良く資源を得て、トップに追いつくのです。
つまり、中盤以降は「トップとは交渉しない」というのが基本戦術。
ベースとなる2つの戦略
カタンには、「最長交易路2点」と「最大騎士力2点」があります。
上記の2つの点数効率が良すぎるので、10点を集めるために欠かせません。
よって、必然的に上記の2つは奪い合いです。
結論として、最長交易路か最長騎士力のどちらを取りに行くかを考えてゲームをスタートします。
最長交易路戦略
まず、最長交易路戦略の10点をイメージし、逆算していきます。
道戦略10点内訳
- 開拓地4つ4点
- 都市2つ4点
- 最長交易路2点
発展カード1点が取れたりや都市が3つ作れる場合は、臨機応変に10点の構成を変えます。
初期配置で木とレンガが手厚く取れる場合、最長交易路戦略に向かい、最終的に最長交易路を取って勝つ算段で動きます。
状況にはよりますが、進め方のプランは以下です。
ステップ | 目標 | 点数 |
---|---|---|
1 | 初期配置の道から道を1本繋ぐ | 2点 |
2 | 作った道の先に開拓地を建てる | 3点 |
3 | 道を作って4つ目の開拓地を建てる | 4点 |
4 | 5つ目の開拓地or都市を建てる | 5点 |
5 | 開拓地or都市or発展カードで3点集める | 8点 |
6 | 最長交易路を奪う | 10点 |
持っている資源によって順序は変わりますが、木とレンガの産出がベースだと、上記にようになることが多いです。
最長交易路戦略のポイントは「鉄」です。
ステップ4までに鉄を産出する場所を確保できるかどうか。
確保できない場合、港が必須と言えるでしょう。
トップになると、鉄を交渉で手に入れることはできなくなります
鉄産出の場所と港の両方がない場合、終盤で失速して勝てないケースが多いです。
最大騎士力戦略
まず、最大騎士力戦略の10点をイメージしておきましょう。
騎士戦略10点内訳
- 都市3つ6点
- 最大騎士力2点
- 発展カードor開拓地or都市で2点
最大騎士力戦略は、都市3つ目指しつつ、発展カードを引いていきます。
初期配置で麦と鉄と羊が取れるようにし、最大騎士力を保持しつつ、その他で最後の2点を集めます。
状況にはよりますが、進め方のプランは以下です。
ステップ | 目標 | 点数 |
---|---|---|
1 | 初期配置の開拓地を都市にする | 3点 |
2 | もう1つの開拓地を都市にする | 4点 |
3 | 発展カードを引きながら、交渉や変換で道を作る | 4点 |
4 | 道の先に開拓地を建てる | 5点 |
5 | 建てた開拓地を都市にする | 6点 |
6 | 発展カードを引いて最大騎士力を維持 | 8点 |
7 | 残り2点を開拓地や都市や発展カードで集める | 10点 |
最大騎士力戦略は、積極的に都市を作っていきましょう。
都市を2つ作って収入を増やしたあとは、発展カードを引きつつ、開拓地を増やすことを目指します。
発展カードの内訳は以下です。
カード名 | 効果 | 枚数 |
---|---|---|
騎士カード | このカードを表にして公開すると、他の人の土地に盗賊を移動させることができます。さらに移動した土地に面して開拓しているプレイヤーの1人から資源を1枚奪います。 | 14枚 |
勝利点 | 1ポイント | 5枚 |
発見 | このカードを表にして公開すると、山札から好きな資源を2枚獲得できます。 | 2枚 |
街道建設 | このカードを表にして公開すると、資源を使わずに街道を2本建設できます。 | 2枚 |
独占 | このカードを表にして公開すると指定した1種類の資源を全て、他のプレイヤー全員から回収できます。 | 2枚 |
街道建設や発見が引けた場合、次の開拓地を増やすために使いましょう。
都市3つを作ったら、最大騎士力を保持しつつ、残りの2点を集めて10点です。
2つの戦略の比較と考察
初期配置によって、最長交易路戦略か最大騎士力戦略のどちら方面かを決めます。
2つの戦略を比較すると、最大騎士力戦略の方がやや勝ちやすいです。
終盤でトップになったときに発展カードが光ります
いずれの戦略においても、まずは収入を増やすために開拓地や都市を増やしていきます。
収入源の開拓地や都市の点数が6点分になれば、どんな形でも10点まで持っていけるでしょう。
資源が豊富に産出すれば、なんとでもなります
まとめ
カタンは素晴らしいゲームです。
なかなか勝てなくて悔しい!という方の参考になるところがあれば幸いです。
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